『第六章』おわりに

ケーキは季節によって売れる時期、売れない時期がはっきりしている季節商品。 12月から4月、5月上旬まで、年間売上の7、8割くらいになります。夏場は、ゼリーとかアイスクリームが良く売れる。
お客さんの嗜好も変っていく。
昔は硬いものが売れていたが、今はプリンとかシュークリームなど、噛まないで流し込めるようなやわらかいもが売れ筋になっている。
お客さんの嗜好の変化を掴み、それに先取りした商品をどんどん提供しなければ、マンネリになり老舗であろうが飽きられてしまう。
設備投資も冷蔵庫だけで、600万円するのもあり、5、6000万円かけています。
県内初のパティシェである金城さん。技術に対して貪欲で、機会があれば菓子作りに関する勉強をしています。
「ケーキ作りの通信講座をうけました。もちろん基礎的な作り方はわかります。しかし日進月歩で新しい食材が出てきます。
新しい食材の使い方は違うわけです。その使い方を習うために受講したのです。最近は、ケーキ作りだけでなく本土へアメ細工の勉強をしていきました。
講師の方から『なぜ、そういう歳から習うのですか?』と指摘されましたけどね(笑)」
まさに、プロフェッショナル。
職人気質の金城さんであるが、最近は人づくりの大切さを感じるという。
「接客も職人に求められる時代になりました。
私も若いスタッフを指導していて感じるのですが、親の元で社会生活を営む上で必要な最低限の基礎があまり教えられていないと感じます。
『なんでお客さんが来たらいらっしゃいませと言わないといけないんですか?』と質問される場合があります。
『はい』『いいえ』『おはようございます』から指導しないといけない。ケーキはいつかをつくれるが、人間性を伸ばすにはなかなか難しい 。
対人関係がしっかりできないと教えようがありません。親がもっとしっかりしてくれたとおもいます。
最終的には、こころです。モノづくり、経営もそうです。最終的には技術じゃないとおもう。いつか、時がくればできる。
こころというのは自分が磨こうと思わない絶対できない。人づくりさえできれば、どんな商売でもできるとおもいます。
価値観を一つにして、その人を伸ばしていくのは大変難しいですね。人の倍働くことは難しいのでが、人の半分働くのは簡単です。
それも人間性で、自分がどこで満足を得るのかが求められる。
でも沖縄は、こころという面では可能性はあるとおもいます」
沖縄初のパティシェの金城さん。高級洋菓子の店を広めた業界では知らない人はいない。業界を牽引してきた金城さんは、時代の変化を敏感に感じとっています。
時代は移り変わる。シェフは菓子をつくっておけばいい時代ではなくなった。そのことを実感しながら、どう対応していくのかを模索しているか、今後の展開を楽しみにしたい。